15年戦争と日本の医学医療研究会
公開講演会のご案内

日  時 2018321日(11:0013:00
会  場 京都大学医学部構内 医学部先端科学研究棟1階セミナー室(大)
アクセスはこちら(構内マップの16番)

資料代 実費

演題

忘れまじ不戦の誓
軍民両用
(デュアルユス)研究とはか-科学者使命責任

講師: 福島 雅典(京都大学名誉教授)

日本学術会議連携会員公益財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センターセンター長(兼)研究事業統括

講演要旨

科学者に与ふるの文 - 軍民両用研究を憂ふ

 君知るや、今、科学者、否国民一人一人に科学とは何か、科学者のあり方、大学のあり方が深刻に、問われていることを。今、人類が未曾有の科学・技術の革命期にあることを。

 カーツワイルは2045年をsingularity、人類にとっての特異点と予測した。しかし、機械が人間を超える日、人間が人間を超える日は、もっと早くに来るのではないか。今やインターネット社会革命は全地球を覆い、思想、哲学は立ちすくむ。国際秩序にパワーポリティクスが鎌首をもたげる。戦後71年、戦争を生き抜いた人々はほぼ絶え、もはや戦争の記憶も滅しそうだ。

 君知るや、いつのまにか特定秘密保護法が施行され、武器輸出が解禁され、ついに憲法で禁じられた集団的自衛権を認める安保法が施行。政府は今、治安維持法を彷彿とさせる共謀罪の法制化に邁進している。文字通りのJapan is Back.政府は軍民両用研究推進のための検討会「安全保障と科学技術に関する検討会」を設置するという報道もあった。今、防衛装備すなわち軍備増強に狂奔する悪魔が蘇り、軍民両用と称して、札束をちらつかせてすりよる。君よ、よく目を見開いて見るがよい。これはれっきとした大学動員ではないか。かつて大日本帝国は満州の権益に執着し、自衛の名のもとに日中戦争、太平洋戦争へと突入していった。兵力増強に行き詰った政府軍部はついに、学徒動員、そして特攻にまで突き進んだのではなかったか。今、その戦争準備の歴史をそっくりそのまま日本は繰り返しているではないか。

 君知るや、戦時の現実下、いずれの国の科学者たちも取り返しのつかない過ちを犯したのだった。九州帝国大学の医師は米兵捕虜を生体解剖し、京都帝国大学出身の軍医、石井四郎は731部隊を率いて中国で一体何をしたのか?アインシュタインはナチスドイツに先んじて原爆の開発を進めるようルーズベルト大統領に進言した。マンハッタン計画が進められ、原子爆弾が広島・長崎の上空で炸裂し、世界は変わってしまった。過去の記憶を忘れる者は過去を繰り返すよう運命づけられている。子曰く、過ちて改めざる、これを過ちと謂う。ある者は言う。科学者は社会の要請に応えねばならぬと。不可也、断じてそうではない!科学者は現実を観じ、人類の幸福な未来にcommitする。それが科学者の使命ではないか。科学者は時代の理念の高さに生きねばならぬ。

 君知るや、アインシュタインのあの晩年の苦悩の表情を。オッペンハイマーの末路を。ラッセル・アインシュタイン宣言の核心を。同宣言は謳う。人間性を心に留め、そしてその他のことを忘れよ。彼ら(政府)に、彼らの間のあらゆる紛争問題の解決のために平和的手段を見い出すよう勧告する。

 19482月、世界科学者連盟は科学者憲章を定めた。To study the underlying causes of war. To aid agencies seeking to prevent war and to build stable bases for peace. これこそが科学者の責任、人としての世界に対する責任ではないか。君よ、今こそ我らは、日本の科学者の誓い、日本学術会議声明を、朝日に匂う桜が如く心に蘇らせるのだ。『軍事目的のための科学研究を行わない』そして、『戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない』。

以上pdfはこちら

講師略歴
1948生。
1973年名古屋大学医学部卒。
京都大学大学院、浜松医科大学助手、愛知県がんセンター病院内科医長、京都大学教授を経て2009年より公益財団法人先端医療振興財団臨床研究情報センター長に就任し、現在に至る。

 過去30年にわたり、がんの内科医として、がんの標準治療の実践とその普及に努めるとともに、わが国の医療の民主化、薬害防止のための科学の確立・普及と実践、医療の科学的基盤の構築整備ならびに臨床科学の確立と普及に貢献し、現在もその活動に尽力。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の革新的医療技術創出拠点プロジェクト・サポート機関代表としてARO構築とネットワーク形成支援に力を注いだ後、橋渡し研究戦略的推進プログラムの成果活用支援に尽力している。


会務総会(第19回)、定例研究会(第43回)のご案内(公開)

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4:0015:00 

151017:00 一般演題(募集中)

 

  

大学や研究機関の科学者は軍事研究に関わってはならない(声明、pdfはこちら) 

 防衛省は昨年度から、「安全保障技術研究推進制度」を発足させ、武器の開発などの軍事研究をしてくれる大学などの研究者に資金を提供し始めています。国から出される研究費の運営費交付金が年々削減されているため、外部からの資金を導入せざるを得ない状況が進み、その中には防衛省からの研究費を利用して軍事研究に手を染めてしまう研究者が出てきています。この安全保障技術研究推進制度での研究資金は、昨年度3億円、今年度6億円でしたが、来年度は110億円にも膨れ上がることが予想され、個々の研究者に億単位の研究費の提供が可能となり、研究者を「魅惑」しています。

一方、日本の科学者を代表する公的機関の日本学術会議は、先の戦争で科学者が軍事研究に動員され戦争に加担してしまったことへの反省から、戦争の放棄を掲げる日本国憲法の精神に則り、科学者は二度と戦争に加担してはならないとして、1950年、1967年の2度にわたって「日本の科学者は軍事研究に関わらない」とする声明を出しています。ところが、日本学術会議大西会長が「個別的自衛権のための基礎研究なら許される」との私的見解を述べたことから問題となり、日本学術会議内に検討委員会を設け、来春にその検討結果の発表が予定されています。

大学や研究所の研究者が防衛省との軍学共同に参加する動きと合わせ、日本学術会議会長の軍事研究容認の発言に驚き、危機を感じた多くの科学者が「軍学共同反対連絡会」を結成し、大学や研究機関などの科学者が軍事研究に参加することに反対する声を出してきています。

ところで、先の戦争で日本の医学者・医師は、軍に協力して旧日本軍731部隊などで非人道的な細菌兵器開発のための研究を進め、多くの他国民を虐殺してしまいました。その戦争医学犯罪に加担した医学者・医師も日本国政府もその詳細を明らかにしようとしない中で、我々15年戦争と日本医学医療研究会は、先の戦争で先輩たちが犯した侵略戦争加担、非人道的研究の反省として、その実態を検証し、科学者の戦争への加担や軍事研究の危険性を明らかにし続けております。したがってそのことを踏まえ、15年戦争と日本の医学医療研究会は、大学や研究機関などの科学者は軍事研究に関わってはならないと考えるものです。

2016年11月23日

日本学術会議の議事録に関する声明(2016年11月23日)

国立公文書館における公文書の公開に関する声明(2016年11月23日)

秘密保護法案強行採決の暴挙に強く抗議し、その廃止を求めます(決議)(2013年12月8日)

 

15年戦争と日本の医学医療研究会幹事会



70 年間の沈黙を 破って―ドイツ精神医学精神療法神経学会 (DGPPN) の
2010 年総会における会長の謝罪表明

日本語版
ドイツ語版
英語版

最終更新日 2017/04/10
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