戦医研は昨年、2000年6月の発足から20周年を迎える中、突然訪れた新型コロナ禍のため研究会をはじめ会誌発行を除く諸事業の多くが中止を余儀なくされました。2021年の会務総会は、20年を経過して会の各種見直しの必要性が提起されていたのを受け、幹事会内に設けた「あり方検討委員会」からの答申を基に、一定の見直しを提起して検討いただき、新たな歩みを踏み出すことを主な目的として開催されました。
 本来であれば記念の研究会を開き、会務総会も会員が一堂に会して行うべきですが、新型コロナの感染収束がまだ見通せていないことから、誠に残念ですが代替措置として書面とメールで議案を送らせていただき、ご意見および賛否をお諮りする方式で行わせていただきました。各議案は会員の過半数の投票で成立し、投票の多数決で採択されました。
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声明 日本学術会議会員人事への政治介入に抗議し、撤回を求める

20201030日 

15年戦争と日本の医学医療研究会(日本学術会議協力学術研究団体)幹事会 


 この度の菅義偉首相による日本学術会議会員候補6名の任命拒否は、わが国が戦後、日本国憲法の下で保障されてきた学問の自由を、政治権力が問答無用で脅かす事態として、科学者はもとより、広く社会に抗議の声がひろがっている。
 日本学術会議は、戦前、日本の科学および科学者が政治権力さらに軍部の支配下に置かれ、戦争に協力加担・動員された痛苦の歴史の反省を踏まえてスタートした。19491月、その発足にあたっての声明(決意表明文)では、「今後は、科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。・・・われわれは、日本国憲法の保障する思想と良心の自由及び言論の自由を確保するとともに、科学者の総意の下に、人類の平和のためあまねく世界の学界と提携して学術の進歩に寄与するよう万全の努力を傾注すべきことを期する」と宣言している。
 日本学術会議法では、会員は「内閣総理大臣が任命する」(第7条)とされつつも、その手順は「優れた研究又は業績がある科学者のうちから、会員の候補者を選考し、内閣総理大臣に推薦する」(第17条)としている。即ち、学術会議自身が各専門の見地からふさわしいとして推薦し、それを首相が任命するルールとされてきた。事実、その後の経過の中で、時の首相を含めた政府の国会答弁や確認文書の中で、首相による任命は、あくまでも形式であり、実態は日本学術会議の主体的判断を尊重し、そのことにより学問の自由を保障するというものであった。これらを踏まえ、日本学術会議は政府機関ではあるものの、政府からは独立した学術専門の組織として存在してきた。しかるに、今回の菅首相による任命拒否は、不法不当な横暴、学問の自由の侵害と断じざるを得ない。
 菅首相はこの間、メディアのインタビューで問われ、6人の任命拒否をできるとした根拠に、「学術会議会員は特別公務員である」として憲法第15条を持ち出し、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは国民固有の権利である」、「首相は国民に選ばれた国民の代表であり、特別公務員の任命を拒否できる」などと強弁している。また、特に6人を任命拒否した根拠は、「総合的・俯瞰的に判断した」と繰り返すばかりである。世論調査では、肝心の国民の多くがこの任命拒否に疑問を持ち、首相の説明に納得していない。この菅首相や政権の論理は、政治権力を握った者は、例え法を曲げても何でもできるという、まさに独裁である。あのヒトラーでも独裁体制を築くプロセスでは、強権を用いつつも全権委任法の国会可決という手順が踏まれていた。
 政権がこのような暴挙に出た経緯には、日本学術会議が、政府の進める軍事研究に非協力であること、そして任命拒否された6人が、集団的自衛権行使容認や秘密保護法制定などに対し、憲法に反するとして政府案に反対する発言をしていたこととの関連が指摘されている。先日のテレビ討論で、自民党の柴山昌彦幹事長代理が学術会議の人事問題の議論の中で、日本学術会議が軍事研究に非協力であることに不満を公言し、それが露わになった。そして政府・与党は、学術会議会員の任命拒否問題から、学術会議の在り方へ問題を逸らすことに躍起となっている。
 しかしこの問題は、わが国の学問の自由のみならず、日本の今後の歩む方向にかかわる重大な問題である。山極寿一学術会議前会長が「国の最高権力者が『意に沿わないものは理由なく切る』と言い出したら、国中にその空気が広がる。あちこちで同じことが起き、民主的に人を選ぶことができなくなり、権威に忖度する傾向が強まる。それは着実に全体主義国家への階段を上っていくことになる」と警告している(朝日新聞1022日)が、まさに同感である。
 日中戦争・太平洋戦争で少なくない日本の医学者・医師は、軍に協力し731部隊などで細菌兵器開発のための研究を進め、多くの他国民の虐殺に関与した。しかしこうした戦争医学犯罪に加担した医学者・医師も日本国政府もその詳細を明らかにしてこなかった。15年戦争と日本の医学医療研究会は、医学が平和の基礎となり人類の福祉増進のために貢献することを願い、過去の医師・医学者の戦争加担の実態を検証することをめざして発足し、科学者と軍事研究の関わりなどの危険性を明らかにしてきた。
 本研究会は、こうした設立趣旨を踏まえ、今回の菅首相による日本学術会議会員候補6名の任命拒否に強く抗議し、改めて6人の任命を求めるものである。

pdfはこちら)

  

大学や研究機関の科学者は軍事研究に関わってはならない(声明、pdfはこちら) 

 防衛省は昨年度から、「安全保障技術研究推進制度」を発足させ、武器の開発などの軍事研究をしてくれる大学などの研究者に資金を提供し始めています。国から出される研究費の運営費交付金が年々削減されているため、外部からの資金を導入せざるを得ない状況が進み、その中には防衛省からの研究費を利用して軍事研究に手を染めてしまう研究者が出てきています。この安全保障技術研究推進制度での研究資金は、昨年度3億円、今年度6億円でしたが、来年度は110億円にも膨れ上がることが予想され、個々の研究者に億単位の研究費の提供が可能となり、研究者を「魅惑」しています。

一方、日本の科学者を代表する公的機関の日本学術会議は、先の戦争で科学者が軍事研究に動員され戦争に加担してしまったことへの反省から、戦争の放棄を掲げる日本国憲法の精神に則り、科学者は二度と戦争に加担してはならないとして、1950年、1967年の2度にわたって「日本の科学者は軍事研究に関わらない」とする声明を出しています。ところが、日本学術会議大西会長が「個別的自衛権のための基礎研究なら許される」との私的見解を述べたことから問題となり、日本学術会議内に検討委員会を設け、来春にその検討結果の発表が予定されています。

大学や研究所の研究者が防衛省との軍学共同に参加する動きと合わせ、日本学術会議会長の軍事研究容認の発言に驚き、危機を感じた多くの科学者が「軍学共同反対連絡会」を結成し、大学や研究機関などの科学者が軍事研究に参加することに反対する声を出してきています。

ところで、先の戦争で日本の医学者・医師は、軍に協力して旧日本軍731部隊などで非人道的な細菌兵器開発のための研究を進め、多くの他国民を虐殺してしまいました。その戦争医学犯罪に加担した医学者・医師も日本国政府もその詳細を明らかにしようとしない中で、我々15年戦争と日本医学医療研究会は、先の戦争で先輩たちが犯した侵略戦争加担、非人道的研究の反省として、その実態を検証し、科学者の戦争への加担や軍事研究の危険性を明らかにし続けております。したがってそのことを踏まえ、15年戦争と日本の医学医療研究会は、大学や研究機関などの科学者は軍事研究に関わってはならないと考えるものです。

2016年11月23日
15年戦争と日本の医学医療研究会幹事会

日本学術会議の議事録に関する声明(2016年11月23日)

国立公文書館における公文書の公開に関する声明(2016年11月23日)

秘密保護法案強行採決の暴挙に強く抗議し、その廃止を求めます(決議)(2013年12月8日)

 

最終更新日 2017/04/10
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